分かってても泳がせておいてください

以前はもっと、恥ずかしながら

自分はそれなりに「良い」人間で

割りといろんなこともできる方で

ものを知ってる方で

誠実で優しい方で‥

なんて思っていたところがあるのですが。

 

今は、歳を追うごとに

意外と悪い人だったりダメなところも

できないこともいっぱいあって

冷たいところもキツいところもあれば

幼稚なところも嘘つきなところも‥

知らなかった自分が次々見えてきて

それは良い部分についてもだけれど、

全体的には自分が思っていたほど

善人でもなかったんだなと。

 

そしてまた、

だからといって自分が思うほど

悪い人でもまたないのだろうな、とも。

 

自分のネガティブな部分も

できないところ、ダメなところも知るほどに

人に対しても

まぁそういうところもあるよねぇ、人間だし。

と、あまり気にならなくなってきたというか

人のこと言える立場じゃないから

何かあったとしてもあまり

とりたてて言おうと思わないところがあって。

 

でもそうすると、

いいことばっかり言って信用できないとか

何を考えているのかわからないなどと

嫌がられることもあったり。

 

そう思う人も確かにいるかもしれないけれど

私は、自分の良くないところを

正面きって言われるよりは、

できなくても黙って温かく見守っていてくれたり

分かってても泳がせておいてくれる方が

ありがたいなと感じることが多いので。

 

だいたい自分でも気付いているけれどできなくて

自分でも落ちこんでいたりするものだから

追い討ちかけて人からも言われると

打たれ弱いので立ち直るのにますます時間がかかり

関係ない所にまでひきずってしまったり

するのではないかな、と。

 

本人がまったく気付いてなくて

あまりにもひどいことを繰返していたりしたら

その人のためになると思えば言うかも知れないし

自分が言われても伝えてもらって良かったと

思えるのかも知れませんが。

 

そんな風に思うと、

自分は立派だ、自分は正しい、と思う人ほど

人にも厳しくなったり

自分の弱さを受け入れているほど

人にも優しくなったりするのかなと、

そんな、人の心の動きがよく感じられたりします。

 

厳しさも悪いことではなくてね。

優しければ全て良いというのでもなくてね。

 

自分はどうありたいのかな、と考えるのです。

 

私はやっぱり、当面は泳がせておいてもらいたい派です。